ONION商標・弁理士の山中です。

皆さんはTVドラマはご覧になりますか?「映画のが好き」とか、「最近は動画配信サービスのオリジナル作品がいい」とか、いろいろな方がいらっしゃるかと思いますが、自分は「大好きな割に、最近はあまり見れていない」タイプ(まぁ、もはや放送局がコアターゲットにしていない年代ですから問題ないんですけど 苦笑)。

そんな自分も、「さすがにこれはちゃんと見ないと!」と今から楽しみにしている、4月からのTVドラマが、こちらです。

日本テレビ系『それってパクリじゃないですか?』(4月12日 水曜夜10時スタート)

https://www.ntv.co.jp/sorepaku/

主演の芳根京子さん、重岡大毅さん(ジャニーズWEST)は、どちらもまだお若いですが、恋愛ものからシリアス、コメディと、どんなタイプの作品でも魅力的なキャラクターを演じてくれる、安定感抜群の俳優さんなんで、その共演だけでも楽しみにしていたと思いますが、今作は「職業柄」も注目せざるを得ません。

なんと、このドラマ「知的財産エンタメドラマ」を標榜しているのです。

いや、知財がテーマになった作品としては、これが決して初めてではありません。たとえば、

TBSテレビ系『下町ロケット』 https://www.tbs.co.jp/shitamachi_rocket/2015/

こちらでも、特許紛争が争点になるエピソードがありましたが、そこで登場するプロフェショナル(恵俊彰さんが演じられていました)は、「弁護士」でした。知財に強い弁護士さんはもちろんいらっしゃいますし、訴訟となれば弁護士が主役です。そもそも、その士業のほうが断然有名だしなぁ。

しかし、今回のドラマ『それパク』で、重岡さんが演じられる役柄はというと…

 「弁理士」!

そう、我々と同業です。なかなかこれは画期的なことではないでしょうか。

このドラマを通じて、この士業にはどんな役割があるのか、より多くの人に伝わることを期待しますが、自分の言葉でも、この士業を説明することに、あらためてトライしてみたいと思います。

まずその前に、弁理士がいまいちマイナーな理由としては、「何をする仕事なのかイメージしづらい」というのもありますが、もう一つ「数が少ない」と言うのも理由でしょう。

まず、法律に関する士業といえば、思いつくのは「弁護士」ですよね。これは単に有名なだけでなく、全ての法律事務について弁護士が業務権限を有しているんですね。

しかし、日本では、弁護士業務の範囲内で一定の法律分野に限定された業務権限を有する職種(隣接法律専門職)が設置されています:

・司法書士

・税理士 

・社会保険労務士

・行政書士 

・海事代理士

・弁理士

(※なお、公認会計士、土地家屋調査士、不動産鑑定士は、法律事務以外に独自の専門領域を持つ専門職であるため、弁護士がその業務を行うことはできません)

以上の士業の人数ですが、日本弁護士連合会が発表している、以下の資料がありました:https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/statistics/2019/1-3-7_2019.pdf

これらは(資格を持っている人のうち)実際の登録者数と思われますが、税理士が8万人弱、行政書士が5万人弱、弁護士・社労士が4万人強、司法書士が2万人強に対し…

…弁理士は1万人強!しかいません

それゆえに、弁理士が主張していかないと、なかなかその役割は伝わりづらいですよね。

次に、肝心な「何をする仕事なのか」ですが、

ドラマのサイトにもある通り、

弁理士は「知的財産のプロフェッショナル」

と言われます(自分で言うと恥ずかしいけど)。日本弁理士会でも「知的財産の専門家」をうたっていますね。
https://www.jpaa.or.jp/patent-attorney/

では、よく聞く言葉ですが、あらためて「知的財産(権)」とは?ですが、こちらも上記のリンクにある通り、

人間の知的活動によって生み出されたアイデアや創作物などには、 財産的な価値を持つものがあり、それらの総称が「知的財産」なのです。

さらに、 知的財産の中には、 法律で規定された権利や法律上保護される利益に係る権利として保護されるものがあり、それらの権利を「知的財産権」と呼んでいます。その柱となるのが、

*特許権

*著作権

かな、と個人的には感じていますが、これらの知的財産全般について相談を受けて助言、コンサルティングを行うのが弁理士の仕事です。

しかし、中でも、弁理士と非常に密接なのが、特許権、そして実用新案権、意匠権、商標権です(これらをまとめて「産業財産権」ともいいます)。

著作権については、著作物が創作された瞬間、なんの手続きも要さずに創作した人(著作者)に生まれるのに対し、
産業財産権については、それらを管轄する「特許庁」への手続きを経て初めて得ることができる権利です。

これらの特許庁への手続きは、(特許権なら)発明をした人自身が行うのはいいのですが、その発明した人以外の人が代理するとしたら、

弁理士(か弁護士)しか代理できない

のです。

実際、弁理士になるための試験でも、メインとなるのは特許法・実用新案法であり、意匠法・商標法と併せ必須科目となっています。ただ、実務となると、弁理士ごとに得意な分野というのはでてきます。特許権であれば「発明」が対象となりますが、発明にも機械、電気、化学などのジャンルがあり、それに精通していなければ発明の内容を理解することは困難です。また、物品等のデザインについての意匠権、ブランド保護のための商標権も、それぞれに精通することは容易ではありません(※ONION商標の弁理士は、商標・意匠・著作権を専門とし、特許権・実用新案権については、その発明の分野ごとに、特許を専門とする弁理士とタッグを組んで対応しています)。

ただ、どんな弁理士であれ、共通点があると自分は考えています。

「弁理士は、ポジティヴな心配性ですよ」

という点です。

相談者の中には「(特許庁への手続きをせずに)権利を取らなくても、大丈夫じゃないですか?」という考え方の方もいらっしゃいます。弊所のメイン分野である商標権でいえば、「こじんまりと事業を始めるんで、軌道に乗るまでは(商品やサービス名について)商標権取得は後回しにします」

とおっしゃる方もいらっしゃいますが、私たちはこうした考え方を否定します。

なぜなら、ご相談いただいたお客様の事業、商品、サービスが、これから絶対的に伸びていく前提で、コンサルティングするからです。その点で、弁理士は圧倒的に「ポジティヴ」なんです。

しかし、そうやってポジティヴな前提に立つと、商品やサービスが人気となったとき=そこに付された商標がブランド力を持って行ったときに、そのブランド力を保護する権利=商標権を持っていないことによるリスクを知っていますので、「特許庁に手続きをして、登録しておいたほうがいいですよ!」と、絶対的な「心配性」になるわけです(…まして、その登録の要件には「早い者勝ち」がありますし)。

弁理士も、産業財産権の「侵害」に関する訴訟に、補佐人として、又は一定要件のもとで弁護士と共同で訴訟代理人として参加することもあります。しかし一般的には、事業者さまの新規ローンチや、成長スパイラルの段階で、ご相談を受けることが圧倒的に多い士業なのです。そんなとき、弁理士が、特許出願や商標登録などを薦めてきたら、それを単に「営業活動」と受け止めるのではなく、ぜひ

「ああ、弁理士って、事業が成功するというポジティヴ思考のもとに、心配するタイプの人達なんだな」

と思って、ちょっとばかり耳を貸していただけたら嬉しく思います。

 

 

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