今や、Amazonを知らないという方はいらっしゃらないと思いますし、Amazonで一度も購入したことがない、という方も少ないかもしれません。配送システムについても以下のような記事が出ていて、今後も通信販売をリードしていくのでしょう。

「アマゾン配送拠点 今年中に新たに11か所設置…翌日配送可能エリアが拡大」(2023年7月6日(木) TBS NEWS DIG)
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/586380

逆に言えば、Amazonの存在は、商いをされる方にとっても、重要な「電子商店街(サイバーモール)」ですよね。出店すれば、ウェブサイトの構築・運用コストも削減できます。販売網を持たない個人でも、全国、いやときには国境を越えて商圏を拡大できるわけですからね。

そんなAmazonでの出品・取引をご利用・ご検討の方々(以下、「出品者等」と書きます)が気になるのは、こちらの制度でしょう。

「Amazon Brand Registry」

(いわゆる「amazonブランド登録」。以下、「ブランド登録」といいます。)

https://brandservices.amazon.co.jp/brandregistry

なぜなら、この「ブランド登録」をしないと、
・「amazonスポンサーブランド広告」等一部の広告プランが利用できない、
・「amazonストア」というブランド独自のランディングページを作成・開設できない
等、出品者等であればぜひ利用したい制度の利用条件になっているからです。

しかし、そもそも「ブランド登録」の本質的な目的は、出品者等の知的財産としての「ブランドの保護」をしてくれるものなのです。せっかく人気商品に育てたのに、相乗りされたり、自身以外の販路で販売(転売)されたりしたら、その商品の人気が積み重なった象徴とも言える「ブランド」の価値は、台無しになってしまいますよね。

その保護の方法も強力で、上述のサイトによれば、
・「自動プロテクション」という機能により、具体的には、毎日更新を試みられる何十億もの出品情報をスキャンし、登録者が目にする前に、不正な出品情報が公開されるのを、事前に特定して防止してくれる。
・また、「ガイドライン及び規約違反の報告ツール」により、自分でAmazonのカタログを簡単に検索して、商標、著作権、特許、意匠権侵害の疑いを探し、権利侵害が見つかった場合に、当該ツールを使用して報告すれば、Amazonが報告を調査し、違反が見つかれば措置を講じてくれる。また、自身でこのような報告を行うと、前述の「自動プロテクション」がさらに強化されるのだそうです。
・加えて、「ブランド登録」をすれば、他にも用意されている複数の知財保護のためのプログラムを利用できる資格を得ることにもなります。
つまり、育成しているご自身のブランド/知財保護の強力な援軍となるわけです。

このような、登録者のブランド保護の強力なツール(しかも無料)である「ブランド登録」を、利用しない手はないわけですが、その利用の要件となっているのが、

・ブランドの商標登録

です。いくら「ブランド登録」のシステムが強力でも、そのシステムの保護対象となるブランドが、(商標登録により得られる)「商標権」により、出品者等の知的財産権として担保されていなければ、悪質な出品に対する効力も、極めて弱いものになってしまいますし、そもそもAmazonも安心して保護することができないでしょう(そう考えると、商標権の保有→「ブランド登録」を経た、信用できるブランドだけに、一定の広告制度等を利用できるようにする、というAmazonの制度設計も、納得がいきますね)。

しかし、

商標登録された商標(登録商標)なら、なんでもいいのかというと、そんなことはない

んです。

そこで、今回は、弁理士らしい目線で、この「ブランド登録」の制度利用に必須となる、「商標登録」について、そのポイントを説明します。

「Amazonブランド登録」と「商標登録」の関係、その概要

ここから、いくつかのポイントについてしっかり解説していきますが、しっかりお伝えする分、”長め”の文章になりますので、先にそれぞれのポイントの概要をお伝えします。

①「ブランド登録」をするには、どんな商標でもOKというわけではない。
②「ブランド登録」を想定した商標登録では、指定商品・指定役務の選定にコツがある。
③「ブランド登録」をするのに、商標登録が完了していなくてもよい。
④「ブランド登録」を想定した商標登録をするにあたって、”IP Accelerator”(IPアクセラレータ)を、必ずしも利用しなくてもよい。
⑤「ブランド登録」に向けての商標登録進め方のまとめ(←これから開業の方・開業済みの方)

なお、効率よく読んでいただくために、先に「⑤まとめ(下記リンク)」から読んでいただくのもアリです。
http://onion-tmip.net/update/?p=1417

では、それぞれについて深堀りしていきましょう。
(続きはこちら)
http://onion-tmip.net/update/?p=1381

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