弁理士の山中です。みなさんは、NHKの朝ドラ「まんぷく」をご覧になっていますか?日清食品創業者の安藤百福さんとその奥様の生涯をベースにしたお話ですが、今週やっと、チキンラーメンを想起させる、その名も”まんぷくラーメン“が完成しました。試食をした登場人物たちが「これはすごい発明だ!」と興奮気味に語っていますが、そんなセリフを聞くと弁理士としては、「早く特許出願して、特許権を取得して!(そうでなければ、営業秘密としてちゃんと秘匿してね)」などと思ってしまいます。職業病ですかね(苦笑)。これから知財にまつわるエピソードが出てくるかも?と興味深いところです。
https://realsound.jp/movie/2019/02/post-318443_1.html
ところで、この朝ドラを見ていて、1970年生まれの自分が不思議に思ったのが、「なぜ、お湯をかけただけでできるチキンラーメンが既にあるのに、それより手間がかかる『袋めん』(鍋で茹でて、粉末スープを入れるもの)が後から出て、しかも市場に受け入れられたのだろう?」という点です。あ、ちなみに自分の幼少時代は、茹でる袋めんのほうがよく食べてたかな…(そもそも、チキンラーメンの存在を知ったのも、84年「すぐおいしい、すごくおいしい」というキャッチと共に、リブランディングされたときです)。
インターネットで見てみると、一つ理由として書いてあったのは「(チキンラーメンの製法の)特許権を、他社は実施できないので、それ(特許権侵害)を回避するための、茹でる麺だった」というもの。ほう、真偽のほどはわかりませんが、確かに説得力がある説です。
一方、もう一つネットで見つけた説は、知財とは全く関係ないものでした。「茹でるという一手間があることが、”手抜きをしている“という主婦の罪悪感を軽減して、むしろ受け入れられた」、のだと(「具材を加えやすく、バリエーションが広がった」とも)。様々な技術革新で、とにかく「簡単・手軽・安価」な商品やサービスが、市場をどんどん凌駕していく時代に暮らしていると、ちょっと思いつかない理由でしたね。
しかし、よく考えてみると、今でも似たようなことあるぞ…「レコード人気の再燃」!。今やCDどころか、ダウンロードも超えて、ストリーミングで簡単に音楽が聴ける時代になりましたが、敢えて手間がかかる手法で楽しむ行為も人気を博しているんです。確かに、同じ音楽だとしても、レコードを買って聴いていると、音楽を大事にしている気がして、(簡単に聴いているときよりも)アーティストへの罪悪感は薄れるし、手間をかけている分、贅沢な気分を味わえたりするんですよね(まぁ、ラーメンの話に比べてこちらのほうは、貴重なレコードへの所有欲とか、音質の好み、世代によってはノスタルジーなどの要素もありますけどね…)。
今回は、前回以上にとりとめのないコラムになってしまいました(謝)。発明や技術革新といった「新規性」が問われる世界で、「現状の課題の解決」をしてくれる、つまり世の中をどんどん便利にしてくれるもののお手伝いをする世界と、ひとりの人間として、ときには不便なものを、不合理に愛するという世界を行ったり来たりしながら、今日もONION執務室の時間は流れています。
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