ONION商標の弁理士小野尾です。

新元号、発表されましたね。
弁理士の性といいますか、ついつい特許情報プラットフォームで
検索してしまいます。

発表当日(4/1)商標出願・登録情報検索で、
商標(検索用)「令和」は、0件
称呼(単純文字列検索)「レイワ」は、1件
ですが、レイワの称呼そのものが生ずる商標の登録もありませんでした。

さすがにチェックはされてますよね。

当然ながら元号そのものは、商標登録できません。

【特許庁ウェブサイト(出願しても登録にならない商標)】
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shutugan/tetuzuki/mitoroku.html

この中の、1.vi)その他何人かの業務に係る商品又は役務であるかを認識することができない商標(商標法第3条第1項第6号)に該当します。

<参考>商標審査基準 八、第3条第1項第6号(前号までのほか、識別力のないもの) より抜粋商標が、元号として認識されるにすぎない場合は、本号に該当すると判断する。
元号として認識されるにすぎない場合の判断にあたっては、例えば、当該元号が会社の創立時期、商品の製造時期、役務の提供の時期を表示するものとして
一般的に用いられていることを考慮する。

一方で、令和〇〇や〇〇令和は、前後に何か文字を付することで、元号として認識されるにすぎない場合でなくなるもの、識別力を有する状態になるものは登録を受けることができます。

実際に、1日の元号公表から3日間で、月桂冠「令和蔵」等 23件の商標出願がされていたようです。

【新元号の商標出願は23件(一般社団法人共同通信社 4/16 付)】
https://this.kiji.is/490788153599820897

そして、5月1日、令和元年になったら旧元号の「平成」を登録することができるようになるのか?という問題がありますが

実は上記でご紹介した審査基準は最近改定されていて、「現元号」とあったものが、単に「元号」となっていて、「平成」も元号として認識されるにすぎない場合は登録できません。

ちなみに、平成を含む以前の元号が含まれている商標がどのくらい出願・登録されているか、商標出願・登録情報検索で検索してみました(検索はいずれも、※前方一致、後方一致、中間一致で、件数は検索時点での数字です)。

 

【平成】商標(検索用)で、131件(以下抜粋) 

「平成蔵」(商標登録第2363317号 平成元年 1月9日出願 月桂冠株式会社) 、「平成の祝」「平成の宴」(商標登録第2357236号  平成元年1月11日出願、同登録第2357252号 平成元年1月28日出願 加藤嘉八郎酒造株式会社)、「平成の鬼ころし紀の司」(商標登録第2363317号  平成元年1月13日 出願 紀の司酒造株式会社)

 

【昭和】商標(検索用)で、353件(以下抜粋)

「昭和菊(ロゴ)」(商標登録第0274121号 昭和 10年 6月29日出願、昭和産業株式会社  ) 、「昭和部品株式会社」(商標登録第0428611号 昭和 27年 9月20日出願 昭和部品株式会社)、「ヴィナス 大昭和製紙(ラベル?)」(商標登録第0482126号 昭和 30年4月19日出願 日本製紙株式会社)

 

【大正】商標(検索用)で、223件(以下抜粋) 

「大正(ロゴマーク)」、「大正チエイン薬局」、「大正」「鷲のマークのロゴ(大正製薬株式会社)」(商標登録第0401768号 昭和24年10月24日出願、商標登録第0444320号 昭和28年2月27日出願、商標登録第0517497号 昭和32年8月20日出願、商標登録第0582954号、昭和35年11月21日出願 大正製薬株式会社)

 

【明治】商標(検索用)で、422件(以下抜粋) 

「明治(ロゴ)」(商標登録第0123866号 大正9年8月13日出願、明治ホールディングス株式会社 ) 、「明治屋」(商標登録第0123866号 大正10年3月24日出願、株式会社明治屋 )

 

平成を含む4つの元号について見てみましたが、

平成について、思ったより件数が少ないのは、審査基準などで現元号の不登録が明確化されいるからでしょうか。
現存している登録で出願日が早いもの順に並べてみましたが、いずれもお酒関連の商標で、お酒関連のブランドは元号と相性がいいのでしょう。
そして月桂冠は平成の時も、いち早く出願されていました。

昭和については、小麦粉等でおなじみの昭和産業の商標が戦前に出願されて、現在も登録されていました。

大正については、鷲のマークの「リポビタンD!(商標登録第2057648号 他)」でおなじみの大正製薬の商標登録がたくさんあります。

明治については、明治ホールディングスと明治屋の商標登録がたくさんありました。ただ、登録が見つかったのは大正の出願でしたので、現元号は当時から難しかったようですね。

はたして、令和関連の商標登録は今後いくつ登録されていくでしょうか。楽しみです。