ONION商標・弁理士の山中です。

音楽という、最大の趣味を仕事にしてしまったこともあり、家には6,000枚ぐらいのCDがあるのですが、最近増えていません。新譜はストリーミングサービスで聴くことがほとんどですし、昔の作品の「コレクターズ・アイテム」的な再発も、あまり興味がないタイプなので。

なのですが、久々にスペースを取る商品を買っちゃいました。

BOØWYの「LAST GIGS」と呼ばれた、1988年4月4日、5日のライヴ音源をまとめたCDボックスです。

88年といえば、自分は高校3年生。どっぷり洋楽にハマっていたのですが、邦楽ロックにも愛があった、地元神奈川県のtvkのおかげで、いわゆる(80年代中盤から90年代初めにかけての)「バンド・ブーム」の中心となった邦楽アーティスト達については、初期から認識していました。そして何より「当事者」世代として、周りの仲間が、邦楽ロックをどんどん聴くようになっていくのを見ていましたから、こうしたアーティストが成功していったのは、嬉しささえあれ、驚きはしなかったのです。

しかし、多くの人気アーティスト達の中でも、BOØWYの存在は別格でしたね。髪型を真似する者、昼飯代を削ってレコード/CDに費やす者…学園祭のコピーバンドもBOØWY一色でしたし。そんな人気絶頂の中、1987年12月24日の解散宣言。そして、四人での最後のライヴとなった「LAST GIGS」のチケット確保のため、学校を抜け出してプレイガイド(!)に並ぶ仲間が続出するなどの事件が克明に思い出されます。

そうした記憶に加え、時が経つにつれ実感する偉大さ、また、当時の熱狂の中心に実際にいらっしゃったスタッフの方々と出会ってお話を聞くなどの縁もあり、あらためて未経験だった「1988年4月4日・5日」に向き合ってみるべきと感じたのです。

さて、届いたボックスの中に入っていた、特典のトートバッグ。こちらには、おなじみのロゴマーク(メンバーのシルエットがモチーフになったものがプリントされています。

ここで登場するのが職業病。「このロゴって、商標登録されているのかな?」という興味です。早速調べると、さすがに商標登録されていました(登録5720876号 他)

「CDが売れない」と言われる時代において、ライヴと並んで重要になるのが、マーチャンダイジング(アーティスト・グッズ)のビジネスですが、そのためにはアーティスト名やアーティスト・ロゴを商標登録して、商標権を取得するのはマストですね。だって、ハイファッションのブランドロゴが商標登録されていると聞いても「そりゃ当たり前でしょう」と皆さん思われるでしょうが、アーティストのファンにとっては、そうしたロゴが付いている洋服よりも、好きなアーティストのロゴが付いているTシャツのほうが、はるかに「ブランド価値」があるはずですよ。

ロゴなどに積み重なっていく「ブランド価値」を無形財産とするには、商標登録による商標権の獲得がほぼ唯一の方策なのです。もちろん、マーチャンダイジングの模倣品対策にも有効です。

著作権という、特に手続きをすることなく(無方式主義)得られる権利を扱われている方々には、特許庁への手続きが必要というのが億劫かもしれませんが、(アーティスト名やロゴが)「他者の登録商標を侵害することにならないか?」というチェックの意味でも、早いうちに商標権取得を検討して、ONION商標のような「音楽に理解と知識のある弁理士」にご相談いただくとよろしいかと存じます(と、軽く宣伝)。

さて、BOØWYロゴの話に戻ります。こうした図形の登録商標は、その図形が含む様々な要素が「分類」され、これを手掛かりに調査ができるようになっているのですが、BOØWYロゴ(登録5720876号)の場合は、

「音楽家、楽器を持った男性、オーケストラの指揮者(2.1.9 )」や
「男性の影又はシルエット(2.1.16)」

といった納得の分類の他に、なぜか

「 擬人化した植物、擬人化した植物の組合せ(4.5.1)」

という分類も付されています。どうやら、特許庁の審査官には、メンバーの髪型のシルエットが、パイナップルのシルエットにでも見えたようです(笑)。