ONION商標は2017年開所なので、まだ10年足らず。それゆえ、何十年も事業を営んでいらっしゃる企業・事業者の皆様には、リスペクトしかありません。
それこそ、日本には100年を超える企業も、3万社以上ある(※2020年のニュース)んだそうです。
積み重なっていくブランド力を守ってくれる商標登録(商標権)は、10年ごとに何回でも更新できるので、そうした長寿企業・事業者との相性がいいのですが、
逆に、そうした長寿企業等ゆえに、かつて商標登録を経験しているものの、
*商標登録(商標権、ひいては知的財産全体)を管轄する専門部署がない
*商標登録等の担当者は置いていたものの、引き継ぎができないまま、担当者が曖昧になっている
などの場合、いつの間にか、
・商標権で、正しく事業が守れていない
・商標権の維持で、無駄にお金を失っている
ケースも少なくありません。では、具体的にどのようなケースがあるのか、見ていきましょう。
①いつの間にか、商標登録が消滅していた!
商標権は10年ごとの更新(※5年ごとに、特許庁へ納付する登録料・更新料を「分納」できる制度もあります)ですが、更新しなければ、権利は消滅してしまいます。その場合、その登録「されていた」商標(文字等)を、別の人が使いたかったら、いつの間にか別の人に新たに登録されてしまう(しまっている)こともあります。
なぜそのようなことが起きるのか。更新タイミングで、特許庁から商標権者への連絡は、特にないのです。令和2年から、特許庁による(商標の)「登録料支払期限通知サービス」( https://www.rpa.jpo.go.jp/rpa-web/GP0101 )もスタートしましたが、それも登録商標の担当者がいて、サービスへの登録等をして初めて、期限を通知してくれるものになります。
弁理士も、期限管理のサービスはさまざまです。弊所(ONION商標)の場合は、期限管理はオプションとしており、最初の登録時に管理の必要性を伺っていますので、ご依頼いただければ管理をし、期限を通知することになっていますが、特に商標登録を専門にしていない弁理士に依頼した場合、その期限管理がしっかりなされていいない場合もあります。
また、老舗企業・長寿企業の場合、かなり昔に商標登録をしている場合がありますが、その際に手続きを代理した弁理士が、既に引退している、などというケースもありえます。
まず、現在、自社でどの商標登録が生きているのか、を確認する必要があります。
②同一の商標について、登録が区分ごとに別れてしまっている
まず基本の話ですが、商標登録出願するときに、その商標を使用する商品やサービス(役務)を指定します。登録が認められると、その指定した範囲で商標権が発生しています。また、指定商品・指定役務は、第1類から45類の「区分」に分類されています。
現在は、一つの出願で、複数の区分を指定することが可能です<一出願多区分制>。
しかし、実は、平成9年(1997年)4月より前は、1つの出願で複数の区分を指定することは認められておらず、1つの出願で1つの区分しか指定することができませんでした。つまり、全く同じ商標でも、区分ごとに別々に出願→登録となっていたわけです。
そういう時代の登録を、あまり吟味せずにそのまま更新し続けていることで、
*もう使っていない商品・役務の区分の商標登録に、お金を払って維持し続けるという「無駄」
*更新手続きを弁理士に依頼する場合、登録が分かれている分、何回も弁理士費用が発生するという「無駄」
が生じている可能性があります。
存在する商標登録の中身を吟味しながら、時には新規の出願をし、少しずつ(同じ商標は)1つの商標登録にまとめていくテクニックが、商標専門弁理士なら、提供可能です。
③事業のコアなサービス(役務)の範囲で、商標登録がされていない
平成9年よりもっと遡るのですが、「サービスマーク」とも言われる、さまざまなサービス(役務)の商標登録が認められるようになったのは、平成4年(1992年)です。それ以前は、(指定)商品にしか、商標登録は認められていませんでした。
これも老舗の企業ならではの起きうるケースですが、事業のコア/メインは、特定の「サービスの提供」なのに、その範囲での商標登録ができなかったため、関連する「商品」の範囲でのみ商標登録がされ、それが維持されている…ということがあるわけです。
自分たちが「ブランド力があるぞ!」と思っている、提供中のサービスの範囲では、商標権が取れていませんので、そのブランド力は保護されていないことになります。急ぎ、その範囲を指定しての商標登録が望まれます。
④もう使用していない商標だけ登録が維持されている/「標準文字商標」が活用されていない
「標準文字商標」という制度があります。文字のみで構成される商標で、「特別な態様を求めない」もの、つまり、そのフォントなどを特に指定せず、特許庁長官が定めた文字書体(※明朝体に近い、一般的なものです)で登録する制度です。
(参考)INPIT「Q. 標準文字商標とはどのようなものですか。」
https://faq.inpit.go.jp/FAQ/2024/01/000036.html
標準文字で登録したからといって、権利範囲が広くなるわけではないのですが、やはりさまざまなシーンで、標準文字のような一般的な書体で、商標を商品等に付する(=商標の使用)ことは多いので、非常に汎用性が高い制度です。
しかし、標準文字商標も、平成9年(1997年)から導入されています。つまり、それ以前は、特定のロゴマーク(図形、図形と文字)か、ロゴタイプ(図形を含まない、文字のみのロゴ)で登録されていたことになります。もちろん、こうした古い登録商標を、今も使い続けていればいいのですが、もうその登録商標の態様では使用しておらず、現在は(文字の綴りや読みは一緒でも)デザイン的には異なる商標を使用していた場合、「正しく、登録商標を使用していない」こととなり、第三者から「不使用取消審判」を請求されるスキを作ることになります。
(参考)【本当はコワイ商標の話】 せっかく商標登録したのに、取り消されることがある?(2)
http://onion-tmip.net/update/?p=275
これは②とも連動する話なのですが、「実際に現在使っている商標(ロゴマーク等)」や「汎用性のたかい『標準文字商標』」で、実際に使用している商品・役務の範囲で、新たに出願→登録することが大事です(し、タイミングを見ながら、もう使っていない登録商標は、更新せずに権利抹消することで、無駄なコスト削減が図れます)。
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以上、①〜④にあてはまる(かも)という、長寿/老舗の企業・事業者の皆様には、ぜひ
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をご検討いただきたいと思います。経験豊富な、商標を専門とする弁理士であれば、貴社の商標登録の状態を素早く的確に「診察」し、対応策をご提案できるでしょう。ONION商標は、そうした弁理士事務所の1つです。
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