ONION商標・弁理士の山中です。
まず最初にお断りしておきますが、今回は、いつも以上にとりとめなく、つぶやいていきます。

まず、最近気になったニュース、その1です。
「『フォーエバー21」日本事業撤退へ 10月末で渋谷店など国内全店を閉店」
https://www.shibukei.com/headline/14472/  (シブヤ経済新聞)

1984年にロサンゼルスで創業した「FOREVER 21」(商標登録5230458他)ですが、2009(平成21)年4月にに日本1号店を出店ですから、丁度「10年」ですか(旗艦店の一つ、渋谷店は、旧HMV渋谷の跡地に入ったのでした)。どうせファッションの流行は目まぐるしく変わるんだから、長く着れなくても、低価格で購入できる「ファストファッション」の概念は、(自分は馴染めないけど)若い世代にはフィットするのかな…などと受け止めていましたが、さらに若い世代は、流行に左右されないノームコア、ミニマリスト的感性のファッションに惹かれるのでしょうか(…ただ単に、ファッションに興味がないという人も増えてきているのかもしれませんが)。

次に気になったニュースが、こちらです。
「1986年以来初、アナログ盤がCD売上を追い抜く見込み」
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/31901 (RollingStone)

これはアメリカの話です。86年といえば、COMPACT DISCことCDと、そのプレイヤーが浸透していき、それまでのアナログ盤レコード(やカセット)を凌駕する直前の時代(自分が最初に買ったプレイヤーって、SONYの「Discman」<商標登録4309461号>だったかなぁ)。まさか「33年」後に、再びレコードが逆転することになるとは、誰も想像しなかったでしょう。
ちなみにこの売上とは「金額」ベース。売上「枚数」はCDのほうがまだ多いけれど、近年のアナログ盤レコードの再発はデラックス版など単価が高いので、同等か追い抜くことになるのでしょうね。ただ、アナログにしてもCDにしても、米音楽業界全体の収益のうち、4%程度のシェアだそうで、今や6割以上はストリーミングが占めているとのこと。我々が想像する以上に、アメリカではCDが「売ってない→買えない」とうレベルまで来ているのでしょう。

さらに、びっくりしたのが、こちらです。「180年」近い歴史のある、その業界の創始者ともいうべき企業の破綻です。
「英旅行大手トーマス・クック、破産申請 旅行者15万人の帰国作戦が開始」https://www.bbc.com/japanese/49792020 (BBC NEWS JAPAN)

私の社会人スタートが旅行業界だったということもありますけど、そうでなくても、「Thomas Cook」(国際登録1225463)といえば、「トラベラーズ・チェック」(懐いっ)や列車の時刻表のブランドとして、記憶されていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。この記事にある通り、インターネットの発達により、航空機やホテルの予約も簡単になり(運営する側としても、空室・空席の調整なども高度にできるようになったはずです)、個人レベルでも旅行の手配がしやすい時代になったのは確かです。とはいえ、近代的な意味での世界最初の旅行代理店であり、その歴史は19世紀にまでさかのぼるという同社の破綻には、衝撃を受けずにはいられませんでした。

新たな発明(特許権とリンクする部分です)が、テクノロジーを進化させ、世の中を便利にし、新しい産業を生み出し続けてきました。しかし、その進化の過程で、社会や人々の意識の変化により、なくなっていく企業や産業もあります。そうすると、せっかくそれまで積み重なってきたブランド(商標権とリンクする部分です)が、失われてしまうことも起きるのですよね。特許、商標、どちらにも関わる弁理士として、非常に複雑な気分になる、この3件のニュースでした。