ONION商標・弁理士の山中です。

今年は、雪不足に悩むスキー場の報道を多く目にします。スキー、スノボの類は、もう15年ぐらいご無沙汰になっている自分ですが、それでも、積雪の上で転がる楽しさ・晴れた日の山頂からの眺めの素晴らしさなどは(下手なりに)経験していますので、やはり、妥当な季節・場所・量の降雪を祈らずにはいられません。

さて、そんなスキー・スノボ関連の商品やサービスでも、多くの登録商標が存在しますが、その登録に必須な区分の選定(どんな指定商品・指定役務を選ぶ必要があるのか)を、見ていこうと思います。

まず、大事な「スキー用具」「スノーボード用具」といった商品は、第28類になります。28類は、一般的に「おもちゃ、遊戯・運動用具」などの商品が分類されていますからね。”用具”の具体的なところでいうと、スキー自体やスノーボード自体はもちろんのこと、「スキー用ストック」「スキー用プロテクター」「スノーボード用キャリーバッグ」などが挙げられます。

では、スキーやスノボと一緒に使う「スキー靴」「スノーボードブーツ」なども、必須な”用具”の一種ですから28類かと思うと、違うんですね。これらは第25類になります。25類は、元々「靴」が分類されている区分ですので、そちらに引っ張られてしまうんですね。

なお、25類は他にも「被服」「帽子」「手袋」などが分類されている区分ですから、スキー等関連でいうと「スキーウェア」「スノーボード用パンツ」「スキー用手袋」「スキー帽」なども25類ということになります。

ここで、疑問が生じます。最近は、安全面から、帽子のかわりに「ヘルメット」を着用している人も多くなりました(いい傾向!)。しかし、これは帽子と同じ25類?それとも”用具”ということで28類?

答えは、どちらも違います。「スノーボード用ヘルメット」は第9類に分類されています。なお、スキー・スノーボード用であれ、野球用であれ、保安用、自転車用であれ、「ヘルメット」類は9類ということになります。他に大事な”用具”で以外な区分というと、「スキーワックス」の第4類(※主に「オイル・燃料」などの分類)というのがありますね。

以上は、主にスキー・スノボ関連グッズのメーカーが、自社のブランド名やロゴを商標登録する場合に指定すべき区分(指定商品)ですが、自社製造はせず「スキー用具等を仕入れて、販売する」事業者の場合は、第35類の小売等役務(「小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」)というものを指定することになります。

では、少し視点を変えて… スキー場を経営する場合、「〇〇スキー場」とか「〇〇スノー・リゾート」のような商標を登録したい場合はどうでしょう。第41類に「スキー場の提供」という役務があるので、これを指定するのがマストでしょうね。

スキー場にあるもので、面白い指定商品としては、「スキーリフト」というのが第12類にあるんですよ(ちなみに、12類というのは「乗り物」や、その他移動用の装置が分類されているのです)。では、スキー場経営者は、この商品を指定しないといけないのでしょうか?いや、これは「スキーリフト」自体を製造・販売する事業者が、そのリフトにブランド名・ロゴなどをつけていて、それを商標登録する場合に指定するものでしょうね。しかし、リフトって、あんな大きいものでも、持ち運んで納品する「商品」なんですね。意外です。

今回は、スキーなどにちなんで指定商品・役務を考えてみましたが、一つの商標登録でも関連する商品等は多岐にわたり、正しい指定をしないと、無駄に費用がかかったり、正しくブランドを保護できなくなったりします。ここはぜひ、弁理士にご相談いただきたい部分です。