2018年10月から、特許庁による商標審査において、「ファストトラック審査」が試験的に実施されております。商標出願件数が増加し審査期間が遅延している昨今、商標の早期の権利化の要望がさらに強くなっている中、

「一定の条件を満たしたシンプルな内容の商標登録願(“願書”)は、特別な手続きや追加料金なしで、通常より早く審査に着手される」

という、嬉しい制度なのですが、弊所では今まで、積極的にお客様にご提案して参りませんでした。その理由としては、

*指定商品・指定役務の表現が、制限される(←審査基準等に記載された、包括的な表現※のみが対象)、
*通常より、たった2ヶ月早く審査着手されるに過ぎない(平均10ヶ月)

以上より、そのデメリットとメリットを天秤にかけると、強い商標権を取得するという観点からは、積極的にお勧めできないとの判断からでした。

しかし、2/1から「ファストトラック審査」の運用が“より良く”変更される旨が公表されましたので、お知らせいたします。

[変更後(2020年2月1日以降出願分から)]
・出願日から約6ヶ月で審査着手

今般、さらに審査着手期間が伸びている中(平均10〜14ヶ月も要しています)、この「6ヶ月」という早さは魅力的です。そこで、弊所としましても、今後は出願にあたり「願書案」をご確認いただく際、

方策①:「ファストトラック審査」対象となるよう、指定商品・役務について、認められる包括的表現(※)に限定して出願する
方策②:通常の審査着手で構わないので、詳細な指定商品・役務を指定して出願する

の、いずれをご希望か伺って参ります。

方策①を選ばれる場合でも、認められる表現(※「類似商品・役務審査基準」、「商標法施行規則」又は「商品・サービス国際分類表(ニース分類)」に掲載の商品・役務のみ)を駆使して、なるべく包括的及び具体的な指定を目指します。

一方、新しいタイプの商品やサービスについての商標の場合など、やはり「ファストトラック審査」対象外の、「審査において採用された(指定)商品・役務名」や、新しく提案する商品・役務名を記載したほうがいい場合もございますので、その場合は、審査まで時間がかかっても問題ないことをご確認の上、方策②を積極的にご提案する場合もございます。

具体的な運用変更の内容は、特許庁ホームページに掲載されておりますので、
詳しくはそちらをご参照ください。

特許庁URL
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shinsa/fast/shohyo_fast.html

なお、別途料金がかかる+さらに条件が加わりますが、「ファストトラック審査」よりさらに早い、「早期審査制度」(←審査の申請から平均1.8か月で審査着手 ※平成29年実績)もございます。出願商標を既に使用している商品・役務又は使用の準備を相当程度進めている場合などで、「早期に商標に®️マークを付したい」、「権利行使して、急ぎ他者の使用を制限したい」場合などは、こちらもご相談ください。

ONION商標では、今後も、丁寧なコンサルティングにより、お客様のご希望に基づく各制度の活用と、権利取得後も活用しやすい「強い商標権」取得のお手伝いを心がけて参ります。