商標登録出願は、「現在より未来」を見据えて行う行為といえると思います。「将来、生まれるはずのブランド力を確保したい」とか、「将来、他の人に商標を使用されたくない」という動機での出願ですよね。日本の商標法・制度は、これから使用する商標の登録も認めていますから(「登録主義」)、商品の発売やサービスのリリースの前に、それらの名称を商標登録出願しておこうと考える方ほど、未来のこと(リスクも、オポチュニティも)を考えていることになります。

しかし、逆に考えると、未来よりも「今」が重要という場合は、どうしても後回しにならざるを得ないという方も多いのではないでしょうか。そして、今はまさにコロナウィルスの影響で、通常の事業活動が制限されることも多い時期ですから、商標登録の価値をご理解いただいている方でも、「後回しにせざるを得ない」ということはあるものと思料します。

そこで気になったのが、本当にそう考える人は多いのか、つまり「商標登録出願」の件数は、コロナ禍で減っているのか?ということです。早速、特許庁のデータベースであるJ-PlatPatにより、今年の1月から月ごとの推移、昨年の同月との比較をしてみました(※なお、J-PlatPatへの反映は、出願からタイムラグがあり、今年の4月分については、まだ4月22日出願分までしか反映されていません)。

【商標出願件数】 2020.5.25調査

        2020年    2019年 前年比
1月  12,296      11,499      106.9%
2月 10,888※     13,328   81.7%   ※20年は2/29あり
3月 12,392      15,160       81.7%
4月  8,469※      14,942          –         ※4月22日まで

前年比を見ると、1月は昨年を上回る出願数だったのが、2月、3月については、同月比で8割程度となっています。また、4月については、このままのペースで出願されていたとしても6割弱、という推移です。

一方、今年の流れで見てみると、昨年は伸びを見えた2月が、1月よりも減少したものの、コロナウイルスの影響が拡大していった3月は、むしろ増加しています(4月が3月より減っているのは、昨年も同じ流れでした)。

次に、特定の業種で、大幅な出願件数の減少はあるのでしょうか。今年の3月の出願と、昨年3月の出願比較してみると、

◎「飲食物の提供」(類似群コード 42B01、43類)
2019年3月:1059→2020年3月:746

これは、レストランなど、店内で食事を提供するサービスが指定する役務ですが、前年比7割となっています。なお、4月は、22日までの数字で428件。昨年4月は1047件の出願がありましたので、このままのペースで行くと半減となりそうです。

◎「宿泊施設の提供」(類似群コード 42A01、43類)
2019年3月:564→2020年3月:377

これは、いわゆるホテル・旅館といったサービスが指定する役務です。もともと出願件数はそれほど多くないものの、前年比67%程度となっています。

◎「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営」(類似群コード 41E01、41類)
2019年3月:1,156→2020年3月:1,048

いわゆる、ライヴ・イベントの主催といった事業が指定する役務なのですが、意外にもこちらはあまり減少していません。なお、4月は、15日までの数字で1,228件で、これは昨年4月の1,045件を上回るペースとなっています。

おそらくですが、純粋にこうした興行を事業の核として行っているコンサート・プロモーター、イベンターといった事業者でなくても、教育ビジネス等に必要な指定役務が分類されている41類はもともと出願が多く、教育関係の役務がメインの出願人が、こうした興行関連の役務も併せて指定するケースが多いのではないかと考えます。ちなみに、同じ41類の、教育ビジネスの各となる役務:

◎「技芸・スポーツ又は知識の教授」(類似群コード 41A01、41類)
2019年3月:2,152→2020年3月:1,874

と、前年比で減少はしているものの、出願全体に比して落ち込みは小さいものとなっています。

もちろん、全体の落ち込み(前年比 約8割)よりも大きく落ち込んでいる役務があるということは、コロナ禍の中でも出願件数が減っていない分野もあるということは自明です。

以上から言えることは、

◎可能である限り、知財戦略は通常とは変えず、使用する商標(社名、商品名、サービス名称、ロゴマーク等)は、使用開始前に商標登録出願をすることが重要

ということです。ご存知の通り、商標登録は原則「早い者勝ち」であり、もし、出願せずに使用していた商標が、トラブルに巻き込まれた場合は、もはや無傷でリカバーするのはかなり困難なことが多いためです。

それでも、どうしても現在は、商標登録に予算を割くことが、可能ではない」という場合もあるかと考えます。そこで弊所では、出願時の出費を押さえながら、“早い者勝ち”である商標登録制度において、先願権を確保する」プランを提供中です。

対象となるお客様・利用回数等を限定させていただくプランとはなりますが、新規に商標登録出願をご検討中のお客様におかれましては、ONION商標までお気軽にお問合せください。

コロナ禍でも、「未来」に向けて、打つべき手を打っておくこと、そのためのお手伝いを、ONION商標はさせていただきます。