ONION商標・弁理士の山中です。
洋楽は、かつてレコード会社、コンサート・プロモーターにて仕事として長年向き合ってきた対象なのですが、それ以前に40年近く夢中になってきた「趣味」でもあるわけです。特に、その世界の魅力にどんどん引き込まれていった、学生の頃のヒット=80’s洋楽には、深い思い入れがあります。
インターネット時代になって、当時は知らなかった事実や、忘れていた想い出に再び出会うといった楽しみもあるのですが、先日もこんな気づきがありました。
「バナナラマ(BANANARAMA)」というアーティストをご存知でしょうか?80年代後半は、ユーロビートに転じて日本のディスコ/クラブでもヒットを飛ばしましたが、
https://www.youtube.com/watch?v=d4-1ASpdT1Y
デビュー当初は、ニューウェイヴ・テイストなポップと、ファッション性、そして独特の素人っぽさが魅力の女性3人組でした。ビジュアル的にも映えるということで、本国イギリスから遠くは離れたココ日本でも、TVCMに起用されるほどの人気がありました。
https://youtu.be/ul9gOYEr9PI
(※ちなみに、当時、ライバル社のスクーターのCMには、なんとマイケル・ジャクソンが起用されていましたね)
ただ、このスクーターのCMは記憶にあったものの、バナナラマはもう一つ「カメラ」のCMにも出演していたというのを、つい最近知りました。
https://youtu.be/FGzlcNT5-Mw
このことを、洋楽にもカメラにも詳しい友人に伝えたところ、このCMは「カメラ業界が『αショック』の影響を受けていたころのものだね」という返答がありました。
「αショック」とは、1985年、ミノルタが、実質的に世界初の“オートフォーカス一眼レフシステムカメラ”である「α-7000」を発売した、その業界への衝撃を指す言葉なのだそうです。
この”オートフォーカス一眼レフ”は、数年間はミノルタの独占的商品、その後追随した他社の商品もなかなか追い越せなかったそうですが、90年代になって風向きが変わります。
ミノルタが当初、技術開示契約を結んでオートフォーカス技術の導入を行った米ハネウェル社が、その後独自技術の開発を進めて開発・販売されたミノルタのオートフォーカス一眼レフカメラに対して、自社の「特許権侵害」として米国でミノルタに対して訴訟を起こしたのです(※ちなみに、そのハネウェル社の発明は、日本では基礎技術だとして、特許権が与えられなかったとのこと)。そして、残念ながらミノルタは敗訴し、多額の賠償金(※和解金)を支払うこととなってしまいました。
既にオートフォーカス一眼レフを米国で発売していた日本のカメラメーカー他社も、同様に特許権侵害の賠償金を支払ったものの、その額は、先行し最もシェアの大きかったミノルタが、最も大きくなったという皮肉な結果となりました。その後同社が、コニカへの併合、カメラ部門のソニーへの売却する遠因になったとの記事もありました。
ただ、その後別の記事で、現在絶好調のソニーの「ミラーレスカメラ」には、元ミノルタの研究者たちが大いに貢献しているともあり、嬉しくなりました。
以上、カメラ(業界)にお詳しい方なら、当たり前のエピソードでしょう(すみません)。ただ、カメラ音痴な自分には、まさかバナナラマから、弁理士にも関連がある特許権侵害の話になるとは思いもしなかった展開で大変新鮮だったもので、こちらの拙稿にて披露させていただきました。
ちなみに自分のカメラ音痴は筋金入りで、撮るのも、撮られるのも苦手。さらには、レコード会社のA&R(ディレクター)として、担当アーティスト写真を選ぶのも苦手だったなぁ(苦笑)。
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