特許庁への商標登録出願を、「代理」できるのは、弁理士(又は弁護士)だけなのですが、
「自分で」使っている・使いたい商標を「ご自身」で出願されることは、何の問題もありません。
しかし、ご自身で出願した場合、約半年ぐらい経って(※2024年2月現在、出願から4か月〜9ヶ月で審査着手)、いきなり「拒絶理由通知」というものを受領して、びっくりされる方もいらっしゃるかと思います。
・比較的簡単にその”理由”を解消して、商標登録に辿り着ける場合
もあれば、残念ながら
・もう諦めるしかない場合、
もありますし、あるいは
・「商標専門の弁理士に依頼すれば、なんとかなるかもしれない」場合
など、さまざまです。
今回の記事では、ざっくりとその分類をしつつ、その対策を紹介してみたいと思います。
①比較的簡単にその”理由”を解消して、商標登録に辿り着ける場合
まず、大前提として、なんで拒絶理由が来るかといえば、商標法で定めている「こういう商標(登録出願)は、登録を認めるべきじゃないから、認めないよ」という拒絶理由がいろいろあって、それのどれか(※1つとは限らない)に該当しているからなのですが、
なかでも、自分で出願した場合に多いのが、
「商標法第6条(指定商品等の表示が不明確)」
という拒絶理由です。
出願するとき(商標登録願、いわゆる「願書」)に、その商標を使用する商品・役務について、それらが分類されている区分(第◯類)と、指定商品・指定役務という記載をしたと思うのですが、
・区分が間違っている
・指定商品等の表現が、不明確
という場合に通知されるものです。
しかし、このときは、正しい区分、あるいは「これなら認められるよ」という指定商品等の表現が、提案されていると思います。それらに「補正」する書類を提出すればいいのです(→補正により拒絶理由は解消し、追って「登録査定」を受領するはず)。
拒絶理由通知に記載されている、特許庁の担当審査官に連絡して、説明を受けることも可能です(個人の場合は、特に優しく教えてくれると思います)。
なお、提案されている補正案が
「そうしちゃうと、想定している商品・役務とは、意図が違っちゃうんだよなー」
というような場合は、迷わず、ONION商標のような「商標専門の弁理士」にご相談ください。
弁理士は「中途受任」が可能です。
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もう一つ、比較的容易に解消できる拒絶理由としては、
「同法第3条第1項柱書(使用についての疑義)」
があります。
登録商標は、(商品等の”目印”として)使用する、使用予定であるのが大前提です。そして、指定する区分の中では、いくつ指定商品等を記載してもいいのですが、1つの区分で一定数を超えた指定商品等を記載すると(※正確には、類似群コードが22を超えると)、この拒絶理由が通知されます。
その場合は、指定商品等について商標を使用している又は使用する予定があることを証明するためのカタログやパンフレットなどの資料を提出する必要があります
…が、ここも、ONION商標のような商標専門の弁理士であれば、必要十分な資料作成をアドバイスいたしますので、ぜひご相談いただければと思います。
② もう、商標登録を諦めるしかない場合
よくある拒絶理由は、いわゆる「早い者勝ち」に関するものです。
指定商品等と同一又は類似する範囲で、「同一の商標」または「類似する商標」が、他の人に先に出願(→登録)されていたら、後から出願しても、登録は認められません。
そういう場合に受領するのが、
同法第4条第1項第11号(先願に係る他人の登録商標)
です。
弊所のような商標専門の弁理士に、当初からご依頼いただいた場合、必ず出願前に行うのが、「登録可能性」のための詳細調査です。そして、その調査のメインは、やはり
・同一又は類似する先願商標の有無
になりますので、
もし「同一又は類似としか言いようがない先願商標が、重複する商品等の範囲で発見された」場合は、出願を断念するご提案があると思います。そのまま出願しても、費用が無駄になってしまいますから、事前に「商標を変更(別の商標を選択する、と言ったほうがいいかな)」すべきなのです。
しかし、ご自身で出願された場合は、登録の妨げとなる先願商標を探す調査をしていなかった、あるいは自分で行った簡易調査で、同一又は類似の先願商標が発見できなかった、というケースかと思います。
【本当はコワイ商標の話】商標の”簡易”調査は誰でもできるけど…その落とし穴
https://onion-tmip.net/update/?p=442
4条1項11号の場合は、引例となった他人の先願商標を、何らかの方法で「消滅・放棄」させるとか、交渉を経て「他人の、ではなく、自分の」先願商標にしない限り、拒絶理由は解消しませんので、それができない場合は、一旦「諦める」しかありません。
ただ、拒絶理由通知に「第4条第1項第11号」という文字を見つけたからといって、
すぐ諦めることはしないでいただきたいのです。
次の③でご説明します。
③「商標専門の弁理士に依頼すれば、なんとかなるかもしれない」場合
まず、「同法第4条第1項第11号(先願に係る他人の登録商標)」を受領したとしても、商標専門の弁理士が見たら、
「えっ、その先願商標と、本当に類似かなぁ?」
と思うケースがあります。
商標の類否の判断は、とても難しいもので、もちろん商標法に加えて、「商標審査基準」などに沿って、審査官は審査・通知を行っているのですが、やはり一人の審査官が行っているものですから、その判断に疑義を感じざるを得ないケースもあります。
そのような場合は、やはり法律・基準、あるいは判例に沿った、適切な「反論」を、提出が認められている「意見書」等によってすることで、審査官が
「言われてみれば、確かにそうですね。これらの商標は類似ではありませんね。」
と判断をあらためてくれれば、拒絶理由は解消し、「登録査定」を受領することができるのです。
その「適切な反論」は、やはり経験がモノを言います。ぜひ、ONION商標のような、商標専門の弁理士にご相談いただければと思います。
なお、「第4条第1項第11号」の、もう少し楽な解消方法としては、引例となった先願商標と重複する範囲が「一部」であって、その範囲での商標登録にこだわらない場合は、その範囲(指定商品等)を「削除補正」するというものがあります。
ただ、その「重複する範囲」が、自分(自社)の事業の重要な商品やサービスの部分であれば、そう簡単にあきらめるわけにはいけませんので、その確認のためにも、商標専門の弁理士にご確認いただきたいところです。
④その他の「拒絶理由通知」も、ケースバイケースで、解消の余地ありです!
また、商標法で定められている拒絶理由は、他にも多くあります。
まず、前述の「簡易調査の落とし穴」の記事★1. で述べている、
商標法3条1項各号(識別力の有無)
がまずありますし、その他にも、
商標法4条1項各号(前述の11号以外に、1号から10号、12号、14号から19号)
は、全て「商標登録を受けることができない商標」が規定されています。
しかし、これらも、審査官への適切な反論や、所定の「承諾書」の提出により、拒絶理由が解消されるケースももちろんあります。
おそらく、中でも最も反論が難しいのが、
商標法4条1項7号(公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標)
いわゆる、「公序良俗違反」というやつで、これは他の拒絶理由にはあてはめられないけど、それでも登録を認めるべきではない、というときに「伝家の宝刀」的に抜かれる、いや通知される拒絶理由通知だからです。
しかし、逆に言えば、同号の拒絶理由には「さまざまなケース」が該当しますから、やはり場合によっては解消可能なケースも存在する、ということなのです。
出願前に、商標専門の弁理士に依頼していた場合は、これらのさまざまな拒絶理由への「該当可能性」を事前に指摘されると思いますが、ご自身で出願された場合は想定が不十分なので、拒絶理由通知を受領したらさぞかしビックリされることでしょう。
でも、そんなときは、あきらめずに、まずはONION商標のような「商標専門の弁理士」にご相談ください。その拒絶理由のご説明、解消の方策と成功の可能性のご説明、そして中途受任する場合のお見積りから、ご案内させていただきます。