はじめての意匠登録 その1はこちら→ http://onion-tmip.net/update/?p=1054
はじめての意匠登録 その2はこちら→ http://onion-tmip.net/update/?p=1062
はじめての意匠登録 その3はこちら→ http://onion-tmip.net/update/?p=1100

◎無事登録できたら取得できる…「商標権」と「意匠権」の違い

登録査定を受領し、登録料を払えば、権利が発生するのは商標も意匠も同様ですが、

(1)存続期間が異なります〜商標は「半永久」、意匠は最長25年

商標の場合は、存続期間は10年ですが、更新が可能ですよね。これは、法が守ろうとしているのが、(登録商標に積み重なる)ブランド力だからです。その商標を、商品やサービスに使い続けるのであれば、ある日突然そのブランド力が消滅してしまうというのはおかしいですよね。(※それなら、最初から「存続期間 永久」としておけばいいじゃん、と思われるかもしれませんが、登録商標を「使用しなくなる」ことも多いので、そういう場合はリリースしてほしいんです。そうすれば、他にその商標を使いたい人が、選択できるようになりますからね)。

一方、意匠権の場合は、「新規・進歩性のある意匠の創作への対価」みたいな側面がありますから、独占的権利をあまりに長期間与えるのは、逆に産業の発展を妨げるということで、 「出願の日から25年」という存続期間が設定されています。それでも、特許権の「出願の日から20年」に比べると長いですけどね。

(2)登録料の考え方も異なります。

商標の場合は、以下のような料金体系ですよね。

【商標登録料】
5年分納の場合:区分数×17,200円
10年一括の場合:区分数×32,900円

【更新登録申請】
10年一括の場合:区分数×43,600円
5年分納の場合:区分数×22,800円

基本的には10年単位で更新していく料金が決まっているが、その10年を前期・後期で5年ずつ分けて納付すすることも可能、という考え方です。

一方、意匠のほうですが、最長25年の権利期間について、希望する限り毎年払うことになります。

【意匠登録料】
第1年から第3年まで 毎年 8,500円
第4年から第25年まで 毎年 16,900円

登録料納付を途中でやめれば、そこで意匠権は消滅します。しかし、戦略的に、意匠出願→登録→短期間で納付を終了(消滅)という方策をとる企業もあるようです。少なくとも、意匠登録により公開されれば(※意匠公報に掲載されます)、新規性は失われるので、第三者も登録はできなくなりますからね(このあたりは、発明について、特許出願はするけれども、審査請求は行わない…という方策に似たところです)。

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以上、まとめ始めてにみると長くなりましたが、いかがだったでしょうか。ご自身の物品等のデザインについて、意匠権に興味がおありの場合は、まずは急いで弁理士、よろしければ「ONION商標」にご相談ください。