毎年最後のメルマガでは、その年を振り返りつつ、商標登録のそもそもの意味・意義を考えるような記事を投稿している気がするので…
(2021年12月)年末だから考えるーそれ、商標登録する必要ある?
https://onion-tmip.net/update/?p=815
(2022年12月)年末にあらためて考えるーその商標、誰が、いつ登録すべき?
https://onion-tmip.net/update/?p=1113
(2023年12月)年末にあらためて考えるー知財戦略 vs 広報戦略?プレスリリースも散々作ってきた商標弁理士が、あらためて期すること
http://onion-tmip.net/update/?p=1649
(2024年12月)年末にあらためて考える ー 結局、商標出願するのにベストなタイミングとは?<メンタル編>
http://onion-tmip.net/update/?p=2463
…今年もそんな感じで行ってみます。
今年、知財関係者や様々な分野のお客様とお話ししたり、あるいは研修などを受講して、印象に残った話として、これがあります。
「見た目や機能を模倣した、『ノンブランド』な模倣品の増加」
という話です。
模倣でいえば、人気のアニメやゲームの登場人物のコピー(明らかな著作権侵害)や、有名なブランドの商標を勝手にコピーして、別の商品に付してしまう(明らかな商標権侵害)ももちろん存在しますが、
むしろ、そういう、わかりやすい「オリジナリティ」や「ブランド力」を模倣するのではなく、
「見た目がある程度似ていれば、よい」
「機能がある程度同じなら、よい」
という模倣品だそうです。こうしたものの流通は、本来そのデザインを創作した、あるいはその機能を発明した「正規販売者」には脅威ですよね。
確かに、自分もいわゆる「100円ショップ」などに行くと、「かつてはもっと高額だったよな?」という機能商品が、それこそ100円強で販売されていて、びっくりすることがあります。しかも、機能がそれなりに発揮されれば、満足してしまう…という経験は、自分にもあります(、耐久性が低くても、「100円ならいいか」と我慢できてしまいますしね)。
ただ、我々は弁理士です。「見た目(外観のデザイン)」は意匠権で、「機能」については特許権等で、その創作者・発明者の権利として保護されているかもしれないことは、理解しています。しかしその点、メジャーな100円ショップの商品であれば、そうした権利は侵害しないように留意しているだろう(…たとえば、既存の知的財産権の権利範囲を踏まないように気をつけているとか、それこそ権利の存続期間が切れてから実施・利用しているだろう…)というような、安心感・信頼感をもって購入するわけです。
しかし、そこまでの視点は、一般の方に求められません。そんな中、そのような「模倣品」を、
「ECサイト」
で目にしたらどうでしょう。ECサイトは、さまざまな個々の出店者の集合体であり、それがフラットに比較されやすい環境ですよね。しかも、「ブランド名」よりも、「機能の表現」「用途」などを打ち込んで検索されますよね。
つまり
「正規品」や「正規ライセンス品」と、「模倣品」が、
「ざっくりとした見た目」と「価格差」で比較されやすい
わけです。
それでも、日本国内、あるいは日本を含む世界的なECサイトであれば、個々の出店者のチェックや、知財保護プログラムも充実しており、酷い模倣品のリスクはかなり下がっているでしょう。しかし、昨今は急速に日本でも普及してきた
「越境ECサイト」
だとどうでしょう。残念ながら「模倣品」が販売されてしまうリスクは高く、それらが「とても安い」「それなりの見た目(外観デザイン)」で、「ある程度機能を果たしそう」ということで、一般消費者から選択されやすい状況が生まれてしまいます。
もちろん、正規販売者によって、デザインが「意匠権」を取得されていれば、あるいは機能・用途について「特許権」等が取得されていれば、それぞれの権利侵害で「模倣品」の販売停止等を求めることもできるはずです。
しかしながら、「模倣品」の販売者が越境(外国)で、そう簡単にはつきとめられない、情報開示など時間のかかる手続きを求めている間に、少ないロットの販売を積み重ねられてしまうと、なかなか決定的な解決策は、現状見つからないようです。
ただ、それでも敢えて、正規の商品を開発・販売をされる事業者様には、知的財産権、中でも「権利取得に特許庁への手続きが必要」な
商標権の取得の必要性
を、弁理士としては訴えていくべきだ、と再認識しました。それは、
御社の「信用」構築に貢献してくれる(Ⓡマーク)
という観点です。実は、この点については、2020年の年末の記事で述べていました。
(2020年12月)年末にあらためて考えるー商標登録の意義とは?〜「守りの理由」と「攻めの理由」
https://onion-tmip.net/update/?p=489
該当する部分を引用すると、
〜登録した商標(登録商標)には、“registered”を意味する「Ⓡマーク」を付与することができます。
社名・サービス名・商品名(あるいはロゴ)に、Ⓡがついているだけで、そこから発散される「信用力」は圧倒的に違うのではないでしょうか。
この記事では、この効果を(商標登録をすべき)「守りの理由」として挙げていますが、もはやこれは「攻めの理由」に近づいているように感じます。
というのも、昨今の(越境)ECサイトにおける模倣品対策としては、その相手の匿名性・頻発性が上がっている中では、
「模倣品・類似品にご注意ください」という表記
にとどめざるを得ないかもしれません(※むやみに特定してしまうと「虚偽通報」や「逆に訴えられるリスクすらある)。しかし、そのような表記とともに、
商標登録権者だけが付すことができる、「®️」マークによる、”正規品”・”本物”であることアピール力
は極めて重要だと考えるためです。
(もちろん、意匠登録や特許の登録も重要なことはいうまでもありません。これらの登録には「®️」を付すことは稀ですが、「意匠登録第(数字)号」「特許第(数字)号」として記載することで、正規品であることのアピールになるのは、®️と同様です)
2026年も、また商環境は変わっていくのでしょう。もちろん、現行法で対応できない部分は、今後も法改正がなされていくでしょう。
しかし、まず「商標権(をはじめとする知的財産権)」が持つ力を信じながら、お客様のご希望、お困りごとにしっかり耳をかたむけて、適切な「知財コンサルティング」ができるよう、ONION商標は精進してまいります。
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